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大雨・冠水道路でドライバーが気を付けたいこと【2026年豪雨対策】

2026年8月、千葉県で記録的な大雨となり「車が動かない」という通報が相次ぎました。道路には水があふれ、膝の高さまで水に浸かりながら歩く人の姿も報告されています。近年、こうした記録的豪雨による道路冠水の被害が全国で頻発しています。

「このくらいなら大丈夫」という判断が、命取りになることがあります。気象庁のデータによると、強い雨の年間発生回数は1976〜1985年平均と比べて2014〜2023年平均では約1.8倍に増加しており、今や誰もが水害と無縁ではいられない時代です。この記事では、大雨・冠水道路でドライバーが絶対にやってはいけないことと、万が一のときの正しい対処法を解説します。


まず知っておきたい:冠水道路がなぜ危険なのか

「少し水が溜まっているだけ」に見える冠水道路が、なぜここまで危険なのでしょうか。その理由を正確に理解しておくことが、冷静な判断につながります。

① 車内から水深が正確に判断できない 泥水は透明度が低く、車内から見ると水深が実際より浅く見えます。また、道路のくぼみ・側溝・マンホールの位置が水に隠れており、急に深みにはまるリスクがあります。さらに、前の車が通過できたとしても、自分の車が安全に通れる保証はありません。

② 水深30cmで車体が浮き始める 車は水深が上がるにつれて制御を失います。水深の目安と危険度は以下の通りです。

水深の目安 危険の内容
約15〜20cm 小型車のエンジンが停止するリスク
約30cm 車体が浮き始め、コントロールを失うリスク
約50cm(ドアの半分) 水圧でドアが開かなくなる
約1m 車体が完全に水に浮き、流されるリスク

③ 水の流れが車を押し流す 見た目は穏やかに見えても、流れがある冠水道路では車が横向きに押し流されることがあります。特に川沿い・海沿い・アンダーパスなどは急激に水位が上がるため、特に危険です。

④ アンダーパスは「水の罠」になる 立体交差のアンダーパス(道路が掘り下げられた場所)は、周囲から水が一気に流れ込みやすく、冠水が急速に進む危険なスポットです。雨が弱まっても上流・周辺から水が流れ込み続けることがあるため、油断は禁物です。


絶対にやってはいけないこと5選

NG① 冠水道路に進入する

最も重要なのがこれです。冠水した道路を発見したら、絶対に進入してはいけません。「ちょっとだけ確かめてみよう」と水に少し入ってみることも避けてください。一度水に入ると、途中で深くなっても安全に方向転換できない可能性があります。

正しい対処法:冠水を発見したらすぐに引き返し、別のルートを探しましょう。迂回できない場合は安全な場所で待機して、水が引くのを待ちましょう。

NG② 「前の車が通れたから大丈夫」と油断する

前の車が通過できたとしても、自分の車が安全に通れる保証はありません。なぜなら、車の種類・重量・タイヤの種類によって対水深性能は異なるからです。また、水位は刻々と変化しており、前の車が通過した数分後に急激に深くなることもあります。

NG③ エンジン停止後に無理に再始動する

冠水した道路で車が止まってしまった場合、エンジンを再始動しようとしてはいけません。エンジン内に水が入った状態で無理に再始動すると「ウォーターハンマー現象」が起き、エンジンが完全に壊れてしまいます。そのため、エンジンが止まったらすぐに脱出することを最優先にしましょう。

NG④ 水が入ってきているのにドアを開けようとしない・窓を閉めたままにする

車内に水が入ってきた場合、ドアは水圧で開かなくなります。水深がドアの高さに達すると水圧によってドアが開かなくなるため、早めに窓を開けて脱出する必要があります。

正しい脱出方法

  1. シートベルトを外す
  2. 窓を開ける(電動窓の場合は水没前に開けておく。水没後は電気系統が故障して動かなくなる可能性がある)
  3. 窓から脱出する
  4. 窓が開かない場合は、緊急脱出ハンマーで窓ガラスを割る(角の部分を狙う)
  5. 車内に大量の水が入って車外との水圧差がなくなった場合は、ドアを開けられるようになることもある

車内に準備しておくと安心なグッズ

  • 緊急脱出ハンマー(シートベルトカッター付き):1,000〜3,000円程度で購入可能
  • 車内に常備しておくだけで、万が一のときに命を救える可能性があります

NG⑤ 雨が弱まったからと安心して冠水エリアに近づく

雨が弱まっても、上流・周辺から水が流れ込み続けることで水位が上がり続けることがあります。特にアンダーパス・地下道・低地の道路は、雨が止んだ後も危険な状態が続くことがあります。そのため、雨が弱まっても冠水道路への進入は避け、道路管理者・警察・消防の情報を確認してから判断しましょう。


冠水しやすい危険スポットを事前に把握する

大雨が予報されているときは、事前に「冠水しやすい場所」を把握しておくことが重要です。

特に注意が必要な場所

  • アンダーパス(立体交差の下をくぐる道路)
  • 地下道・地下駐車場
  • 川沿い・海沿いの道路
  • 周囲より低くなっている道路
  • 排水設備が古い住宅街の低地

また、各自治体が「冠水想定箇所図」を公表しているケースがあります。たとえば横浜市では、ゲリラ豪雨時に冠水する可能性がある箇所を地図で公開しています。自分がよく走るエリアの自治体ホームページで事前に確認しておきましょう。


走行中に大雨・冠水に遭遇したときの正しい行動

走行中に激しい雨が降り始めたら

  1. 速度を落とし、車間距離を通常の2倍以上にする
  2. ヘッドライトを点灯する(視界不良時はフォグランプも)
  3. ワイパーを最速にしても視界が確保できない場合は、安全な場所に停車して待機する
  4. ラジオ・カーナビの交通情報・気象情報を常に確認する

走行中に冠水を発見したら

  1. すぐに停車してUターン・引き返す
  2. ハザードランプを点灯して後続車に知らせる
  3. 警察・道路管理者に通報する(道路緊急ダイヤル**#9910**)
  4. 無理に進まず、水が引くまで高台・安全な場所で待機する

車が冠水路で動けなくなったら

  1. エンジン再始動は絶対にしない
  2. 窓を開けてすぐに脱出する準備をする
  3. 水位が上がっている場合はためらわず脱出する
  4. 脱出後は高台・安全な場所に移動し、119番・110番に連絡する

水没・浸水被害にあった車の保険対応

万が一、車が水没・浸水被害にあった場合は、自動車保険の車両保険で補償を受けられる可能性があります。

補償の対象となるケース

  • 台風・大雨などの自然災害による浸水・水没
  • エンジン・電気系統への浸水ダメージ
  • 全損(廃車)となった場合の補償

なお、津波による被害は補償対象外となるため注意が必要です。また、車両保険を使うと1等級ダウン(事故有係数適用期間が1年加算)となりますが、全損や高額修理の場合は保険を使ったほうが経済的に有利なケースが多いです。

被害後にすべきこと

  1. まず身の安全を確保する
  2. 保険会社に速やかに連絡する
  3. 被害の写真・動画を記録しておく(補償の証拠になる)
  4. ディーラー・修理店に状況を伝え、エンジンを動かさないよう指示する

まとめ

大雨・冠水道路で最も重要なのは「絶対に進入しない」という判断です。「このくらいなら大丈夫」という自己判断が命を奪う可能性があります。近年の豪雨は予測が難しく、いつも通る道路が突然冠水することも珍しくありません。

緊急脱出ハンマーの車内への常備・冠水想定箇所の事前確認・道路緊急ダイヤル#9910の登録——これらの備えが、いざというときに命を守ります。豪雨シーズンを安全に乗り切るために、ぜひ今日から準備しておいてください。

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