ブログ

ドライバーの交通事故を減らす、企業が取り組む安全管理の方法

「うちの会社でまた事故が起きてしまった」「事故が減らない原因がわからない」——そんな悩みを抱えている運送会社の担当者は多いはずです。

交通事故は、ドライバー個人の問題だけでなく、会社の安全管理体制の問題でもあります。つまり、「事故を起こしたドライバーが悪い」という発想から「事故が起きにくい仕組みを会社が作る」という発想への転換が、事故削減の第一歩です。この記事では、企業が今すぐ取り組める安全管理の具体的な方法を解説します。


まず現状を把握する:事業用自動車の事故の実態

安全対策を進めるうえで、まず業界全体の事故の実態を把握しておくことが重要です。

国土交通省が策定した「事業用自動車総合安全プラン2025」によると、事業用自動車が第一当事者となる交通事故の主な要因は以下の通りです。

  • 前方不注意・脇見運転:最も多い事故原因のひとつ
  • 速度超過・車間距離不足:追突事故の主な原因
  • 健康起因事故:運転中の急病・意識喪失による事故が増加傾向
  • 飲酒運転:件数は減少傾向だが、依然として重大事故につながるリスク

また、事故を起こすドライバーには、運転スコアが一定基準以下という共通点があることが、AIドライブレコーダーを活用した調査で明らかになっています。そのため、事故を「運の問題」ではなく「データで予測・管理できる問題」として捉えることが、企業の安全管理の出発点になります。


取り組み① ヒヤリハットの収集・共有を仕組み化する

交通事故の法則として知られる「ハインリッヒの法則」では、1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故があり、さらにその背後には300件のヒヤリハット(事故には至らなかったが危険だった体験)があるとされています。したがって、ヒヤリハットを収集・共有することが、重大事故を未然に防ぐ最も効果的な方法のひとつです。

ヒヤリハット活動を定着させるためのポイント

  • 報告しやすい雰囲気をつくる:「ヒヤリハットを報告すると怒られる」という職場文化では報告が上がってきません。「報告してくれてありがとう」という姿勢を管理者が示すことが大切です。
  • 専用の報告フォームを用意する:スマートフォンで簡単に報告できるアプリやフォームを導入することで、報告のハードルが下がります。
  • 収集したヒヤリハットを朝礼・点呼で共有する:「先週こんな危ない場面があった」という情報を全ドライバーで共有することで、同じ状況での危険を回避できます。
  • ヒヤリハット報告者を表彰する:報告件数が多いドライバーを月間表彰するなど、積極的な報告を奨励する仕組みを作りましょう。

取り組み② AIドライブレコーダーを導入してデータで管理する

近年、運送業界で急速に普及しているのがAI搭載のドライブレコーダーです。従来のドラレコは「事故後の映像確認」が主な用途でしたが、AIドラレコは「事故前の危険行動をリアルタイムで検知・記録」できる点が大きく異なります。

AIドラレコで検知できる危険行動の例

  • 脇見・スマートフォン操作
  • 急ブレーキ・急ハンドル・急発進
  • 車間距離不足
  • 速度超過
  • 眠気・居眠り運転の兆候

さらに、AIドラレコはドライバーごとの運転スコアをデータとして蓄積します。そのため、「事故リスクの高いドライバー」を事前に特定して重点的に指導することが可能になります。

実際に、ある企業ではAIドラレコ導入後に運転スコアが一定基準以下の「レッドカード者」を特定して個別の運転改善指導を実施した結果、レッドカード者が前年の80名から1名に大幅に減少し、事故件数も前年9件から1件へと激減したという事例があります。

導入のポイント

  • まずは全車両への一斉導入が理想ですが、費用面が厳しい場合は事故が多い車両・ドライバーから優先的に導入する
  • データを「監視ツール」ではなく「サポートツール」として位置づけ、ドライバーに丁寧に説明する
  • 月に1回、スコアをドライバー本人にフィードバックする場を設ける

取り組み③ 定期的な安全教育・研修を実施する

「安全に関する教育は入社時だけ」という会社は多いですが、継続的な安全教育が事故削減には不可欠です。なぜなら、人の習慣や意識は時間とともに薄れていくからです。

効果的な安全教育の方法

① 朝礼・点呼での短時間安全確認(毎日) 毎日の点呼時に「今日の危険ポイント」「先週のヒヤリハット事例」を1〜2分で共有するだけで、ドライバーの安全意識を継続的に高めることができます。また、天候・道路状況に応じた注意喚起も効果的です。

② 事故事例の研修(月1回) 自社・他社の事故事例をもとにした研修を月1回実施しましょう。「なぜその事故が起きたのか」「自分だったらどうしたか」をグループで考える形式にすることで、ドライバーの当事者意識が高まります。

③ 実技研修(年1〜2回) 実際の運転行動を確認する実技研修も重要です。特に新人ドライバーや事故が多いドライバーには、ベテランドライバーや外部講師が同乗して指導する機会を設けることが効果的です。


取り組み④ 健康管理を強化して「健康起因事故」を防ぐ

近年、運転中の急病や意識喪失による「健康起因事故」が増加しています。特に中高年ドライバーが多い運送業界では、心疾患・脳疾患・糖尿病・睡眠時無呼吸症候群などの疾患が事故の引き金になるケースが少なくありません。

企業が取り組むべき健康管理

  • 健康診断の確実な実施と結果の把握:法令で義務付けられている年1回の健康診断を確実に実施し、有所見者(要注意・要治療)へのフォローアップを行う
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニング検査:SASは居眠り運転の主要原因のひとつです。リスクが高いドライバーに検査を促し、治療につなげることで事故リスクを大幅に下げられます
  • 日常の体調確認の強化:点呼時に「顔色が悪い」「目が充血している」など体調不良のサインを運行管理者が見逃さない観察眼を養う

取り組み⑤ インセンティブ制度で安全運転を「評価する」

「事故を起こしたら罰則」という罰則型の管理だけでは、ドライバーのモチベーション低下につながります。それよりも、「安全運転を続けることが評価・報酬につながる」というポジティブな仕組みをつくることが、長期的な事故削減に効果的です。

安全運転インセンティブ制度の例

  • 無事故手当:一定期間(3ヶ月・6ヶ月・1年)無事故無違反を達成したドライバーに手当を支給
  • 安全運転表彰:年間を通じて安全運転スコアが高いドライバーを表彰し、社内で称える文化をつくる
  • 免許更新の優良ドライバー支援:ゴールド免許を維持したドライバーへの特別手当の支給

また、事故が発生した際には、「当事者を責める」のではなく、「職場全体で再発防止策を考える」という文化をつくることが重要です。なぜなら、責任追及が厳しすぎると、ドライバーが小さな事故やヒヤリハットを隠すようになり、結果として重大事故を見逃すリスクが高まるからです。


取り組み⑥ 先進安全技術搭載車両への更新を進める

車両自体の安全性能を高めることも、事故削減の重要な取り組みです。現在、国土交通省は先進安全技術を搭載した車両の普及を積極的に推進しており、購入補助金の制度も設けられています。

導入を検討したい主な先進安全技術

  • 衝突被害軽減ブレーキ(AEB):前方の障害物を検知して自動ブレーキをかける装置。追突事故を大幅に削減できます
  • 車線逸脱警報装置:車線を逸脱しそうになった際に警報を発する装置。居眠り・脇見による事故防止に効果的
  • ドライバー異常時対応システム:ドライバーの異常を検知して自動的に車両を停止させるシステム。健康起因事故の被害を最小限にできます
  • ペダル踏み間違い防止装置:アクセルとブレーキの踏み間違いによる暴走を防ぐ装置

まとめ:安全管理は「コスト」ではなく「投資」

交通事故が発生すると、車両の修理費・被害者への賠償金・業務停止による損失・社会的信頼の失墜など、計り知れない損害が発生します。一方で、安全管理への投資は、こうした損害を未然に防ぐための「最もコスパの良い経営投資」のひとつです。

ヒヤリハットの仕組み化・AIドラレコの導入・定期的な安全教育・健康管理の強化・インセンティブ制度・先進安全技術の導入——これらを組み合わせることで、事故は必ず減らせます。「うちの会社では無理」と諦める前に、まずできることから一つずつ取り組んでみてください。

DRIVE UPでは、安全管理に取り組む企業様のドライバー求人掲載・採用サポートも行っています。まずはお気軽にご相談ください!

公式LINEはこちら
➡ https://line.me/R/ti/p/@834akkac

30秒登録フォームはこちら
➡ https://form.hr-m.jp/forms/rckogw/form_1_2

お急ぎの方はお電話で
フリーダイヤル:0120-406-510

運営会社:株式会社 友創(ゆうそう)
〒511-0256 三重県員弁郡東員町南大社612-3
営業時間:9:00~18:00(土日祝休み)

私たちのミッション
– 日本の労働者不足問題を解決
– 労働者教育に注力
– 労働者に正当な評価を

コメント

この記事へのコメントはありません。

関連記事

ドライブアップ 公式LINEはこちら フリーダイアル
TOP