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「定年後の暇つぶしのつもりが、今では生きがいになった」63歳・元営業マンが送迎ドライバーに!

「定年後って、何すればいいんだろう」——63歳の田中さん(仮名)は、38年勤めた会社を退職した日の夜、そんなことを思ったと言います。

営業一筋で働いてきた田中さん。現役時代は毎日が忙しく、定年後のことをゆっくり考える余裕もありませんでした。「せっかくだからゆっくりしよう」と思っていたものの、いざ時間ができると手持ち無沙汰で、2ヶ月も経つと体がなまってきた感覚があったそうです。


きっかけは「運転が好き」というただそれだけ

転職のきっかけは、Instagramの投稿で「送迎ドライバー募集・シニア歓迎・週3日〜OK」という求人を見たことです。

「特別なスキルもないし、どうせ受からないだろうと思った」と田中さんは笑います。でも、営業時代から車での移動が多く、運転だけは自信があった。「ダメ元で応募してみよう」という軽い気持ちで面接に行ったそうです。

面接では、採用担当者から意外な言葉をかけられました。「むしろ人生経験豊富な方のほうが、利用者さんと話が合うんですよ」。田中さんが懸念していた「年齢的に不利では?」という不安が、むしろ強みになるという発想は新鮮でした。

面接から1週間後、採用の連絡が来ました。


最初は不安だらけ。でも横乗り研修で自信がついた

入社してすぐ、横乗りの研修が始まりました。ルートの覚え方、緊急時の対応——覚えることは思ったより多かったと言います。

「正直、最初の1週間は『自分に務まるのかな』と不安でした。でも、先輩スタッフが丁寧に教えてくれたので、少しずつ自信がついてきた」

工場の送迎ドライバー、実際の仕事は?

田中さんが担当しているのは、工場の早番・遅番に合わせた2便の送迎です。最寄り駅から工場までの約15kmのルートを、マイクロバスで往復します。

1日の流れ(早番対応の場合)

  • 5:30 出勤・車両点検・暖機運転
  • 5:50 最寄り駅へ出発
  • 6:10 駅で従業員を乗車
  • 6:30 工場着・従業員を降ろす
  • 6:45 帰社・休憩
  • 14:30 工場へ出発(退勤便)
  • 14:50 従業員を乗車
  • 15:10 駅着・解散
  • 15:20 帰社・日報記入・退勤

「朝は早いですが、午前中には仕事が終わる。午後はまるまる自分の時間です。これが想像以上に快適でした」と田中さん。

月収は約20万円。週5日勤務で、年金と合わせると生活には十分な収入だといいます。繁忙期には臨時便が増えることもありますが、残業はほとんどないそうです。


介護施設の送迎とは違う「工場送迎ならでは」の特徴

田中さんが以前検討していた介護施設の送迎と比べて、工場の従業員送迎には独自の特徴があります。

良かった点

  • ルートが固定されている:毎日同じ道を走るため、慣れてしまえばストレスが少ない
  • 乗客は元気な働き盛りの人たち:会話は少なく、乗降の介助もほぼ不要
  • 時間が読みやすい:工場のシフトに合わせた運行なので、突発的な変更が少ない
  • 体力的な負担が軽い:重い荷物の積み下ろしや、介護補助などはない

大変だと感じた点

  • 早朝・深夜便がある:工場のシフトによっては夜間対応が必要なことも
  • 冬の早朝は体が慣れるまで辛い:特に最初の冬は起きるのが大変だったと田中さん
  • マイクロバスの運転に慣れが必要:普通車より車幅が広く、最初は緊張した

「マイクロバスは入社前に練習させてもらえたので、思ったより早く慣れました。会社によっては入社後に免許取得をサポートしてくれるところもあるみたいです」


一番うれしかったのは「ありがとう」の一言

工場の送迎は、介護施設の送迎ほど会話が多い仕事ではありません。乗客は眠そうな顔で乗り込んで、無言で降りていくことがほとんど。最初はそれが少し寂しかったと田中さんは言います。

ところが、乗り始めて1ヶ月ほど経ったある朝のこと。いつも一番後ろの席に座る若い男性が、降り際に「運転、いつも安心して乗れます。ありがとうございます」と声をかけてくれたそうです。

「それだけのことなんですけど、なんかじーんときてしまって。営業の仕事は成果が数字で見えていたけど、こういう形で感謝されるのは初めての感覚でした」

その日から、乗客の顔と名前を少しずつ覚えるようになったといいます。


定年後に工場送迎ドライバーを目指す方へ

田中さんのケースからわかるように、工場の従業員送迎ドライバーは定年後の再就職先として非常に向いている仕事です。

  • シニア歓迎の求人が多い:落ち着いた運転・社会経験が強みになる
  • ルートが固定でストレスが少ない:毎日同じ道なので体と頭が慣れやすい
  • 体力的な負担が少ない:介護補助や重量物なしで長く続けられる
  • 勤務時間がシフト制で読みやすい:工場のシフトに合わせた規則正しい働き方
  • 普通免許+αで始められる:マイクロバスはAT限定でも対応できる車種も多い

「定年したら終わりじゃなくて、新しい居場所ができた感じがする」——田中さんのその一言が、この仕事の魅力を一番よく表していると思います。

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