「2024年問題で残業が減って手取りが下がった」「休みの日に少し稼ぎたい」——そんな理由でドライバーの副業に興味を持つ方が増えています。
実は2018年に国が副業・兼業を推進する方針に転換しており、以前と比べて副業に取り組みやすい環境が整ってきました。この記事では、ドライバーが副業をする前に知っておくべき法律上のルール・注意点・おすすめの副業の種類まで、わかりやすく解説します。
まず確認:ドライバーは副業できるの?
結論からいうと、法律上は副業を禁止する規定はありません。
2018年に厚生労働省がモデル就業規則を改定し、それまであった「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定が削除され、副業・兼業に関する規定が新たに設けられました。厚生労働省の副業・兼業の促進に関するガイドラインでも「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と明記されています。
ただし「法律上は禁止されていない」と「会社が認めている」は別の話です。
会社の就業規則で副業を禁止・制限しているケースも多く、特にトラック運送業界は「ちょっとした油断が大きな事故につながる恐れがある」という理由から、副業に厳しい会社もあります。まず自分の会社の就業規則を確認し、副業が認められているか・申請が必要かを確認することが大前提です。
ドライバーが副業をするときの3つの注意点
注意点① 労働時間の合算ルールを理解する
副業をするうえで最も重要なのが、労働時間の通算ルールです。
労働基準法第38条第1項では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と定められています。つまり、本業と副業の勤務先が異なっていても、労働時間は合算されます。
時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間(36協定締結の場合)。特別な事情がある場合でも月100時間未満・年720時間以内という上限があります。本業でドライバーとして長時間働いている場合、副業の時間もこれに加算されるため、知らずに上限を超えてしまうリスクがあります。
また、ドライバーには改善基準告示による拘束時間・休息時間の規制もあります。本業での疲労を残したまま副業の運転業務をこなすと、交通事故リスクが格段に上がります。安全第一を忘れないようにしましょう。
注意点② 会社への申告が必要な場合がある
副業を始める前に、会社に申告・許可申請が必要かどうかを確認しましょう。多くの会社では副業を「許可制」にしており、無断で始めると就業規則違反になる可能性があります。
社会保険の観点からも注意が必要です。副業先でも一定の労働時間・賃金条件を満たすと、社会保険への加入が必要になります。その場合、メインとする事業所を管轄する年金事務所に「所属選択・二以上事業所勤務届」を提出する必要があり、これにより両方の会社に副業の事実が通知される仕組みになっています。
注意点③ 確定申告が必要になる場合がある
副業収入が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。副業の収入・経費をしっかり記録しておきましょう。
ドライバーにおすすめの副業5選
① 軽貨物・業務委託配送
ドライバーの経験・免許をそのまま活かせる副業です。Amazon Flexやフードデリバリーなど、スキマ時間に稼働できる案件が多く、土日・隔日勤務の休みに稼ぎやすいのが特徴です。
普通免許があれば始められ、自分の好きな時間帯だけ稼働できる柔軟さが魅力。月4〜6万円程度から、本気で取り組めばそれ以上も目指せます。ただし車両・燃料・保険代などの経費が発生するため、手取りを計算したうえで判断しましょう。
② ライドシェア(日本版)
2024年4月から解禁された日本版ライドシェアは、タクシー会社に登録して空き時間に乗客を運ぶ仕事です。普通免許があれば二種免許不要で始められ、週末の夜に稼働した場合、月4〜10万円程度の収入が見込めます。
ただし稼働できる地域・時間帯が限定されており、タクシーが不足していると認められたエリア・時間帯のみの運行となります。
③ 代行運転(運転代行)
飲酒した顧客の車を自宅まで送り届ける運転代行は、深夜・週末の需要が高く、ドライバーの経験が活きる副業です。普通免許があれば始められ、1件あたり2,000〜5,000円程度の報酬が相場。週末の数時間稼働するだけでまとまった収入になります。
注意点は、運転代行業者に所属する形で働く必要があること。個人で始めるには「運転代行業の認定等に関する法律」に基づく届出が必要です。
④ 引越し・単発アルバイト
スキマバイトアプリ(タイミーなど)を使った引越し・倉庫作業・イベントスタッフなど、体を動かす系の副業はドライバーの体力が活きます。1日単位で気軽に始められ、本業の休みに合わせてスポット的に稼げる点がメリットです。
⑤ 運転経験を活かしたデジタル系副業
「体をあまり動かしたくない」「空き時間をうまく使いたい」という方には、デジタル系の副業も選択肢になります。
- ドライブレコーダー映像の販売:走行中に撮影した珍しい映像をコンテンツとして販売
- ブログ・SNS:ドライバーとしての経験・知識を発信して広告収入を得る
- 地図・道路情報の更新モニター:自動車メーカーや地図会社の道路情報収集に協力する
直接的な収入は大きくないものの、本業への影響が少なく長期的に続けやすい副業です。
副業をする前のチェックリスト
- 会社の就業規則で副業が認められているか確認した
- 必要であれば会社に副業申請をした
- 本業と副業の合計労働時間が法定上限を超えないか確認した
- 副業の収入が年間20万円を超えた場合、確定申告が必要と把握している
- 副業による疲労が本業の安全運転に影響しないよう管理できる
- 副業先の保険・社会保険の扱いを確認した
まとめ
2024年問題による収入減を補う手段として、ドライバーの副業への関心は高まっています。法律上は副業を禁止する規定はありませんが、会社の就業規則・労働時間の合算ルール・確定申告など、事前に確認すべきポイントがいくつかあります。
「まず会社の就業規則を確認する」「労働時間の上限を守る」「安全運転への影響を最小限にする」——この3つを守れば、副業はドライバーの収入を増やす有効な手段になります。
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